助成金の申請手続を行う際には、必ず提出を求められる書類があります。
それは、「出勤簿(タイムカード)」「賃金台帳」「労働条件通知書」などの法定帳簿です。
行政としては、これらの書類を提出させることで、その会社が助成金の支給を受ける資格があるのか、別の言い方をすれば、適正な労務管理が行われているかをチェックしているのです。
最近、特に厳しくチェックされるのが「残業代の支払い」です。
具体的には、
(1)残業時間が正しく計上されているか
(2)残業単価が正しく計算されているか
(3)残業代が正しく支払われているか
ということを厳重にチェックされます。
もし残業代が適正に支払われていない場合には、対象労働者に対して過去6か月分の未払い残業代をきちんと精算しないと、助成金は支給されません。なぜなら、法令違反がある会社には助成金を支給しないという要件があるからです。
ところで、残業代というのは「時間単価×割増率×残業時間」で計算します。時間単価というのは、対象となる社員の1時間あたりの給与額(時間単価)です。割増率というのは、普通残業は25%以上、休日残業は35%以上、深夜残業は25%以上といったように法律で定められています。
ここで注意しなければならないのは時間単価の計算方法です。
時間単価には基本給だけでなく手当も含まれます。法律で除外することが認められている手当(家族手当、通勤手当、別居手当、子女教育手当、住宅手当、臨時に支払われた賃金、1ヶ月を超える期間ごとに支払われる賃金)以外については、すべて含めて計算をしなければなりません。
また、このような名称の手当であればすべて除外できるわけではありません。家族手当や住宅手当、通勤手当であっても、全員一律に支給されるものは除外することはできません。
以上、間違いやすい例として、時間単価の計算方法について解説しましたが、このほかにも労働時間数の端数処理なども誤っているケースが多いです。
助成金を活用するためには、適正な労務管理が求められます。この機会に、自社の残業代の計算方法についても確認してみて下さい。
(情報公開日:2017-10-30)
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