「助成金」というと、どうしても「いくら貰えるのか?」という点にばかり注意が向いてしまいがちなのですが、そもそもの助成がされる根拠は何なのか、その根拠に対して自社の方針が適合しているかといった点が最重要であるといえ、また同様に助成金を受けるべき環境が整っているのか(=法令に基づき適切な労務管理がなされているか)という点も非常に大切なポイントとなってきます。
このような背景を踏まえ、平成29年度からの助成金の傾向として、申請時の添付書類が厳しくチェックされるようになっていることが挙げられます。
具体的には、賃金台帳や出勤簿(タイムカード)、労働条件通知書(雇用契約書)などの書類が、かなり細かくチェックされるようになったのです。
たとえば、出勤簿に記録されている始業・終業の時刻、労働時間や残業時間と、賃金台帳の記載されているそれが合っているのかということがチェックされます。
また、残業代が適正に支払われているのか、といったこともしっかりと確認されます。法律に基づいて計算した残業代と実際に支払われた金額に不足がある場合は、過去6か月間分の差額を清算しないと助成金の支給を受けることができません。
助成金の支給要件には「法令違反がないこと」と定められているからです。
また、最近では社会保険の加入についても指摘を受けることが多くなりました。出勤簿の労働時間は社会保険の加入要件を満たしている(恒常的に週30時間以上働いていることが明らかである)にも拘わらず、賃金台帳では社会保険料が控除されていない(社会保険に加入していない)場合には、やはり助成金が支給されません。
さらに添付書類として認められるのは、「事業所に備え付けられているものの写しに限定する」つまり助成金の申請用に作成し直した書類等は、提出書類の要件を満たしていないことになると明言されています。これは不正受給を防止する狙いがあると思われます。
以上のように、助成金を積極的に活用するためには、最新の情報を入手していただくことも重要ですが、まずは助成金の申請で要求されているような書類等が整備されているか、労務管理が適正に行われているのかということが重要なポイントになるのです。
(情報公開日:2017-10-2)
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