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2015.5.15 過労死:裁量労働の男性認定 裁量労働制法改正への影響は?

裁量労働制法改正への影響は?
裁量労働制法改正への影響は?

 

過労死:裁量労働の男性認定

裁量労働制法改正への影響は? 

 

 実際に働いた時間に関わらず、一定の時間を働いたとみなして給料を支払う「裁量労働制」。

 先日、2013年7月に心疾患で亡くなった市場アナリストの男性(当時47歳)について、三田労働基準監督署(東京)が過労死として労災認定したことが分かりました。

 

 

「過労死:裁量労働の男性認定…東京の労基署 遺族側が立証」

2015.5.12 毎日新聞

 

 労働時間が重要な判断材料になる過労の労災認定で、会社側が正確な労働時間を把握していない裁量労働制で働く人が過労死と認定されるのは極めて異例です(2013年度の死亡に関わる労災認定が133件あるうち、裁量労働制に該当するものは1件だけとのことです)。

 

 最近話題になっている、成果型労働の高度プロフェッショナル制度創設や裁量労働制の見直し(来年法改正予定)にどう影響が出るか気になるところですね。世の中の流れからして全面的に廃案になることは考えにくいものの、新たな指針などが加わる可能性はありますので、注意しておきたいところです。

 ここで改めて、現時点で予定されている改正案を確認してみましょう。

 

Ⅰ 長時間労働の抑制策・有給休暇取得の促進策等

  1. 中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の見直し(H31.4.1~施行予定)
  2. 著しい長時間労働に対する助言指導を強化するための規定に新設
  3. 一定日数の年次有給休暇の確実な取得(5日以上取得の義務化)
  4. 企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組促進

Ⅱ 多様で柔軟な働き方の実現

  1. フレックスタイム制の見直し(清算期間上限を1か月→3か月に延長)
  2. 企画業務型裁量労働制の見直し(対象業務に提案営業等を追加)
  3. 特定高度専門業務・成果報酬労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設(一定の年収以上の労働者について、時間外等の割増賃金対象外)

※第189回国会「労働基準法等の一部を改正する法律案」の概要より

厚生労働省WEBサイト

 

 上記を見ると、ⅠとⅡの内容でうまくバランスさせようとしているのが見受けられますね。今回の法改正に関して、新聞報道のイメージでは、全体的に労働時間管理が緩くなるよう印象を受けてしまいがちですが、逆にⅡに当てはまらないような一般の労働者に対しては、これまでに比べより厳格な管理が求められることが想定されます。今から自社の労務管理体制に不備がないかチェックしておきましょう。

 

勤怠管理等でご相談がございましたら、お気軽にお寄せください。

 

 

※公開日時点での法令・情報等に基づく内容となっております。