社会保険未加入、加入漏れ企業は要注意
マイナンバー活用で素早く特定
今年度、厚生労働省は、社会保険に未加入・加入漏れ事業所に対して、取り締まりを強化していくことは、以前にも記事に取り上げましたが、これが今話題のマイナンバーの運用が本格化されることで、さらに素早く特定されると、先日新聞報道がありました。
『年金未納の企業、素早く特定 マイナンバーを活用』
2016年から始まる社会保障と税の共通番号(=マイナンバー)制度。社会保険については2017年から本格運用される見通しですが、年金分野のマイナンバー活用案としてまとめられているものは以下になります。
1)未納対策の強化
- 厚生年金保険料の未払い企業の割り出し、強制徴収
- 自治体の所得情報の把握による、未納者への強制徴収(国民年金保険料)
2)手続きの利便性向上
- 受給開始手続きにあたり住民票が不要、ネットで申請可
- ネットによる税と社会保険料の一括納付
- ネットによる低所得者等の保険料免除申請
3)”消えた年金”の再発防止
- 住所や氏名などの記録を職員による手作業ではなく自動入力に
- 持ち主の分からない年金記録がでないように、マイナンバーで一元管理
特に法人の経営者の方々にとっては、1)の分野が気になるところかと思いますが、例えば企業版のマイナンバーを活用することにより、一元管理で国税庁が持つ企業の源泉徴収データを日本年金機構が共有できるようになり、従業員に給与を払っているのに厚生年金保険料を納めていない企業を簡単に割り出せることになります。
こうなると、法人であるにもかかわらず社会保険に加入していない、いわゆる”未加入事業所”はもちろんのこと(全国でおよそ80万事業所あると言われています)、社会保険には加入しているものの、本来加入するべき人が加入していないという”加入漏れ”がある事業所についても、容易に特定されることになるでしょう(例えば、週30時間以上勤務しているパートタイマーを加入させていない、採用後の試用期間が経過するまで社会保険に加入させていないなどはよくあるケースですが、こういったものもある意味”ガラス張り”になり、簡単に分かってしまうわけです。)。それ以外にも、加入漏れではないですが、実態よりも報酬が低く届出されている(意図的に行っていることは論外ですが、うっかりミスで月額変更届が漏れているなどはよくあるケースです)なども特定され、指摘されることが考えられます。
社会保険料の負担が大きいことは既にご存知かと思いますが、これからの経営は、社会保険に正しく加入することを前提として、かじ取りを行なわなければならず、そのためには新たな対策を講じることも必要になってくるでしょう。
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