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2014/12/24 【労務Q&A】振替休日と代休の違いとは?

振替休日と代休の違いとは?

 

文書作成日:2014/12/22

 

 今年も残すところあと数日となりましたが、今年は特に暦の関係で稼働日が少なく、かなり慌ただしい年末となったという方も多いのではないでしょうか。また、年明け以降3月頃までは、一般に繁忙期を迎える会社も多く、必然的に残業や休日出勤も多くなる時期ともいえるでしょう。

 そこで、今回は、なんとなく分かっているようで、紛らわしいと言われる、振替休日と代休について取り上げてみようと思います。

 

 「振替休日と代休の違いとは?」

 

 ごく簡単に言えば、予め法定休日を労働日と振り替えた上での休日が「振替休日」、事前に振替の手続きを取らず休日労働を行なわせた後にその代わりとして与える休日が「代休」となります。

 「休日の振替」とは、休日と労働日を交換することになり、例えば、日曜日を休日と定めている場合に、その日曜日と2日後の火曜日を入れ替えて、日曜日を労働日に、火曜日を休日とすることを、「休日振替」といいます。この場合、日曜日の労働は、所定労働日の労働となって、休日労働にはなりません。また、18歳未満の年少者のように休日労働を禁止されている者に対しても「休日の振替」をすれば休日(であった日)に労働させることが可能です。

 

 適法に休日振替を行なう要件は、以下の3点になります。

 ①就業規則に休日を振り替えることのできる旨の規定があること

 ②事前に、振替の対象となる休日と振替によって新たに休日となる日(振替休日)を指定するこ

  と

 ③1週1日あるいは4週4日の休日の要件を満たすこと

 

 一方で、「代休」の場合には、事前に振替という手続きをとらず、休日労働を行なわせた後にその代償として休みを与えるということになり、既に休日労働を行なったという事実は消えないため、休日労働の割増賃金(3割5分増し)の支払いが必要です。

 また、割増賃金に関わり混同しやすいケースとして、休日を振り替えた場合、割増賃金は全く発生しないのかという問題があります。確かに休日割増は発生しないのですが、振り替えた結果、その週の労働時間が1週間の法定労働時間(通常は40時間)を超えてしまう場合には、その超えた時間については時間外労働(2割5分増し)の対象となります。この点、労務管理上注意が必要ですので、ご留意ください。

 

 

※文書作成日時点での法令・情報等に基づく内容となっております。