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2014/12/8 大卒3年以内の離職率 3割超え

大卒3年以内の離職率が3割超え

 

文書作成日:2014/12/7

 

 新卒入社に関してはよく七五三と言われます。これは入社3年以内に、中卒は7割、高卒は5割、大卒は3割が退職するという意味ですが、この離職率に関する最新のデータが厚生労働省より公表されましたので、今回はこのデータをとり上げることにしましょう。


1.高卒・大卒の卒業後3年以内の離職率
 高卒と大卒の離職率をみてみると、高校新卒者の卒業3年以内の離職率は39.6%と前年(39.2%)より0.4ポイントの上昇、大学新卒者の卒業3年以内の離職率については32.4%とこちらも前年(31.0%)より1.4ポイント上昇しています(いずれも平成23年3月卒業者)。

 

2.事業所規模別の卒業後3年以内の離職率
 次に事業所規模別にみてみると、高卒、大卒共に以下のような離職率となっており、事業所規模により離職率が大きく異なることが分かります。


※( )内は前年比増減

①高卒の離職率
 1,000人以上 20.0% (0.7ポイント増)
  500~999人 28.2% (0.1ポイント増)
  100~499人 36.8% (0.5ポイント増)
   30~ 99人 47.2% (0.2ポイント減)
    5~ 29人 58.2% (0.9ポイント増)
    5人未満 67.6% (1.0ポイント増)
②大卒の離職率
 1,000人以上 22.8% (1.1ポイント増)
  500~999人 28.7% (0.5ポイント増)
  100~499人 32.1% (1.1ポイント増)
   30~ 99人 39.6% (1.3ポイント増) 
    5~ 29人 51.4% (1.1ポイント増)
    5人未満 60.4% (0.7ポイント減)

 

3.主な産業別の卒業後3年以内の離職率
 最後に主な産業別にみてみると、業種によって離職率が大きく異なることが分かります。
①高卒の離職率
 高卒については「建設業」、「卸売業」、「小売業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「教育、学習支援業」、「医療、福祉」、「サービス業(他に分類されないもの)」等で全体平均を上回っており、特に「小売業」は53.3%、「宿泊業、飲食サービス業」は66.9%、「教育、学習支援業」は65.7%と高い離職率となっています。


高校

宿泊業・飲食サービス業  66.9 +0.3P
教育・学習支援業     65.7 +5.6P

生活関連サービス業・娯楽業 62.6 +0.5P
小売業               53.3 +3.3P
建設業               48.5 +1.7P


②大卒の離職率
 大卒については「小売業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「教育、学習支援業」、「医療、福祉」「サービス業(他に分類されないもの)」等で全体平均を上回っており、特に「宿泊業、飲食サービス業」については52.3%と高い離職率となっています。


大学                           
宿泊業・飲食サービス業    52.3 +1.3P)   
生活関連サービス業・娯楽業 48.6 +3.2P) 
教育・学習支援業        48.5 (▲0.4P)  

小売業               39.4 +1.7P)  

医療・福祉             38.8 +1.1P)  


これらの結果から「小売業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「教育、学習支援業」、「医療、福祉」「サービス業(他に分類されないもの)」といった広い意味でのサービス業については離職率が高い状況にあります。このような職場では慢性的な人材不足に陥っていることが多いため、新卒者が定着するよう職場環境を改善したり、教育制度を充実させ育成していくことが求められます。

 

■参考リンク
厚生労働省「新規学卒者の離職状況(平成23年3月卒業者の状況)」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000062635.html
厚生労働省「若年者雇用関連データ」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2010/01/tp0127-2/12.html

 

 

※文書作成日時点での法令・情報等に基づく内容となっております。