パート労働者にも健康診断は必要?
文書作成日:2014/11/25
今年6月、労働安全衛生法が改正され、メンタルヘルス対策の一環として、2015年12月よりストレスチェック制度が義務化されることが決まりました。当面は、労働者数50名以上の事業所が対象で、50人未満の事業所は努力義務となります。
詳細は以下リンク先よりご確認ください。
http://kokoro.mhlw.go.jp/etc/kaiseianeihou.html
職場の安全衛生に絡み、今回は、以下の件を取り上げてみようと思います。
「パート労働者にも、健康診断の実施は必要か?」
結論から申し上げると、別途指針で定める”常時使用する短時間労働者”に該当する人であれば、健康診断の受診義務が発生します。
ご存知のとおり、労働安全衛生法では、事業者に対して、労働者への健康診断の実施が義務づけられておりますが、細かくは、健康診断については、雇入時の健康診断、、定期健康診断(1年に1回)、特定業務従事者の健康診断、海外派遣労働者の健康診断、その他一定の業務に従事する者への特別健康診断などがあります。
そのような中、パート(短時間)労働者に対して実施する健康診断については、安衛法と紐付け「短時間労働者に係る労働条件の確保・改善について」という指針において、以下のように明記されています。(一部要約)
ア. 常時使用する短時間労働者に対し、雇入れの際に行う健康診断および1年以内ごとに1回、定期に行う健康診断
イ. 深夜業を含む業務等に常時従事する短時間労働者に対し、当該業務への配置替えの際に行う健康診断および6月以内ごとに1回、定期に行う健康診断
ウ. 一定の有害な業務に常時従事する短時間労働者に対し、雇入れまたは当該業務に配置替えの際およびその後定期に行う特別の項目についての健康診断
ここで「常時使用する短時間労働者」とは、次の①および②のいずれの要件をも満たす者とされています。
①期間の定めのない労働契約により使用される者(期間の定めのある労働契約により使用される者であって、当該契約の契約期間が1年(深夜業を含む業務の場合は6か月)以上の者、契約更新により1年以上の使用が予定されている者、1年以上引き続き使用されている者等を含む)であること。
②1週間の労働時間数が、当該事業場で同業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。
(なお、1週間の労働時間数が、通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3未満であっても、上記①の要件に該当し、およそ2分の1以上の労働時間数であれば、実施が望ましいとされています。)
従って、一口にパート労働者といっても、社内的な区分にかかわらず、契約期間の定めの有無や就業時間数(現行法では社会保険加入基準)により取扱いが変わってきますので、注意が必要です。
なお、厳しいようですが、労働安全衛生法では、健康診断の実施義務に違反した場合は、50万円以下の罰金に処することと規定されています。
改めて、自社で問題がないか、確認されることをお勧めいたします。
※文書作成日時点での法令・情報等に基づく内容となっております。