サントリー(現サントリーホールディングス)で勤務していた男性が、上司のパワハラでうつ病になり、休職せざるを得なくなったとして、会社側に約2,400万円の損害賠償を求めていた訴訟で、東京地裁(本多知成裁判長)は31日、「上司の言動は指導として許される限度を超えていた」とし、約290万円の支払いを命じました。
判決によると、男性は2006年4月に配属されたグループで指示通りの成果を残せず、上司から「新入社員以下だ。もう任せられない」「何で分からない。おまえはばか」などと言われていました。2007年4月にうつ病と診断され、上司に休職を願い出たところ「有給休暇で消化してくれ」「休みを取るなら異動の話が白紙になる」などと返答され、男性は同年6月に別部署に異動後、2008年7月まで休職しました。
本多知成裁判長は「上司の言動でうつ病を発症し、回復のため速やかに休職する機会も奪われた」と指摘し、違法な対応だったとの判断を示しました。