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2014/7/17号 メルマガ記事②

4年ぶりに60%台を回復した

国民年金納付率と進む納付対策

 文書作成日:2014/7/17

 

 先月、厚生労働省から「平成25年度の国民年金保険料の納付状況と今後の取組等について」という資料が発表されました。そこで今回は、この内容についてとり上げましょう。

 

1. 平成25年度の国民年金保険料の納付状況
 平成25年度の国民年金保険料の現年度納付率は60.9%となり、4年ぶりに60%台を回復しました。この納付率改善の要因として、厚生労働省では特別催告状による納付督励の対象者の拡大、年金事務所と市場化テスト受託事業者との協力・連携による納付督励の強化の2つを挙げています。なお、所得が低く納付の全額免除や猶予を受けている人は計606万人に及んでいます。これは4年前と比較し、71万人の増加となっています。

 

2.平成26年度の主な取組み
 厚生労働省では平成26年度の納付対策として、以下の4点を掲げています。

① 未納者の属性に応じた収納対策の徹底・強化
 所得や納付の状況など被保険者の置かれた実情を踏まえつつ、納付督励、免除等勧奨、強制徴収を実施する。また、年金事務所において必ず実施する取組みを具体的に定め推進するとともに、若年層の納付督励を強化する。

② 行動計画の策定と推進
 機構全体、ブロック本部及び各年金事務所において行動計画を策定すると共に、それを推進する役割と体制を明確にし、収納対策を組織的に推進する。

③ 市場化テスト受託事業者との協力・連携
 受託事業者ごとに督促実施状況等の分析および進捗管理を徹底する。納付率の改善が急務である大都市圏においては、納付督促、免除等勧奨を強化するため、現年度納付率が全国平均以下、かつ滞納者数が30万人以上の都府県を対象に、滞納者1.0万人に1名(他は1.5万人に1名)の割合になるよう戸別訪問員を重点配置する。

④ 強制徴収の取組み強化
 強制徴収の実施に当たっては、最終催告状の確実な送付を行い、それでも自主的に納付しない者について滞納処分を実施する。特に、控除後所得400万円以上かつ未納月数13月以上の滞納者に督促を実施する。また、強制徴収に集中的に取り組む期間を設ける。

 現在、年金の受給開始年齢を選択制で75歳まで引き上げることの検討も始まっていますが、まずは国民の将来に対する年金の不安を取り除くことで、納付率がさらに上昇することが望まれています。

 

■参考リンク
厚生労働省「平成25年度の国民年金保険料の納付状況と今後の取組等について」
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000048717.html

 

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。