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2014/6/12号 メルマガ記事①

パートタイム労働法が改正されます

  文書作成日:2014年6月11日

 

 近年、働き方の多様化が進んでいますが、その中でパートタイム労働者(以下、パート労働者という)が占める割合が年々高くなっています。また企業においても、パート労働者を長期間雇用したり、業務の基幹的な戦力として活用するケースが増加しています。

 こうした背景を受け、平成20年4月に改正パートタイム労働法が施行され、また平成25年4月には一定の基準を満たした有期契約労働者について、本人の申出により期間の定めのない労働契約に転換することができるとした改正労働契約法も施行されるなど、いわゆる非正規労働者の保護を図るような法改正が相次いで進められています。そして、先日、パートタイム労働法の更なる改正が国会で成立し、今後、企業に対して、パート労働者の処遇改善や適正な労務管理が一層求められることになりました。施行期日はまだ決まっていませんが、今回はどのような改正がされているのかを確認しておきましょう。

 今回の改正内容については以下の4点となり、改正されるもの1点と新設されるもの3点になっています。

 

1.正社員と差別的取扱いが禁止されるパート労働者の対象範囲の拡大【改正】
 正社員と差別的取扱いが禁止されるパート労働者については、これまで、3点(①職務内容が正社員と同一、②人材活用の仕組み(人事異動等の有無や範囲)が正社員と同一、③無期労働契約を締結しているパート労働者であること)とされていましたが、改正後は、①、②の2点に該当していれば、有期労働契約を締結しているパート労働者について、正社員との差別的取扱いが禁止されることになります。

 

2.短時間労働者の待遇の原則【新設】
  事業主が、雇用するパート労働者の待遇と正社員の待遇を相違させる場合は、その待遇の相違は、職務の内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならないとする、広くすべてのパート労働者を対象とした待遇の原則の規定が創設されました。

 

3.パート労働者を雇い入れたときの事業主による説明義務【新設】
  事業主は、パート労働者を雇い入れた際、実施する雇用管理の改善措置の内容を説明しなければならないことになっています。説明しなければならない内容としては「賃金制度はどうなっているか」、「どのような教育訓練や福利厚生施設の利用の機会があるか」、「どのような正社員転換推進措置があるか」などの事項が定められています。

 

4.パート労働者からの相談に対応するための事業主による体制整備の義務【新設】
  事業主は、パート労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければならないことになり、具体的には相談担当者を決めて相談に対応させるなどの体制づくりが必要になります。 

 

 詳細については、今後、省令や指針が出されるようです。企業の労務管理に影響が出てくる内容になっていることから、今後の情報に注目しましょう。

■参考リンク
厚生労働省「パートタイム労働法の改正について」
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/tp0605-1o.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。